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2005/03/17

コンプライアンス教育は「葛藤との戦い」の準備

日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)の柴田さん・岡田さん・臼井さんに、A社(運輸業)のコンプライアンス教育用eラーニングの事例を見せていただいた。

これは「既製品」コースである「企業倫理・コンプライアンス基本コース」をA社用にカスタマイズ(社長からのメッセージを加え、取り上げるケースの一部をA社でありがちなものに差し替えた)もの。もっとも、カスタマイズしたのは全体の10%位ということだった。

コンテンツ、特にケースはとても良くできていて、一緒に見ていた僕の上司や同僚も「うん、確かにこういうことってあるよね」とうなずきながら見ていた。

説明の中で興味深かった点をあげると・・・・。

1.学習意欲を前提にしない

柴田さんたちは、JMAMとしての初期のeラーニングで、導入した企業から「本は無いの?」と言われ、学習者が画面をプリントアウトしているのを見て、「こんなeラーニングはやめよう。本では出来ないことをしよう」と考えたそうだ。

本当に勉強したい人は本で勉強している、できるはず。 ならば「そのうちやろう」「いつかやらなければ」という人にやってもらおう。 大事だけど、後回しになりそうなものを学習してもらうおう。 「本ではできない」「学習意欲を前提としない」eラーニングをやろう。

確かに飽きさせないために短く、そしてリアルな状況を描いた動画・音声を多用していた。
学習者がリアリティを感じるよう、荒唐無稽なものにならないように気を配ったそうだ。

2.コンプライアンスのポイントは「現場での葛藤」

そして、動画の中に出てくる「悪いことをしてはいけない。そんなことは子どもでも分かっている。だけど・・・」というセリフに企画・制作された皆さんのメッセージが込められている。

世の中の殆どのコンプラ教育は 「ルールを守ろう」「法律を守ろう」「会社は公器」といった正論が続く。 だけど、そんなことはみんな分かっているし、言われることに何も意味はない。 むしろ、サラリーマンとして「分かっているけど超えてしまう」オフサイドラインを、超えるまえに提示することが大事。

確かに、見せていただいたeラーニングでは、お題目的なことは本当に少なく、現場で直面するような状況、その場におかれた人の葛藤状況、そして「一線を越えてしまった」時の「ヤバい結果」が沢山出てきて、まさに「身につまされる」内容になっていた。

3.学習管理を現場に委ねる

「全員に学習させる」というのは、eラーニングの学習管理システム(LMS)で管理をしても難しいものだ。
LMSでは管理はできたとしても「促進」まではなかなか至らない。そこがeラーニングベンダーや企画する部門の腕と知恵の見せ所なのだが、A社は職種や勤務形態・時間が多種多様で学習を開始させることから難しいことがはじめから分かっていた。そこで・・・・

A社のコンプライアンス教育では、グループ会社の従業員も対象としたため、イントラネットを使えない人も大勢いた。そのために、学習状況の把握はLMSではなく、各事業部やグループ会社の長から本社のコンプライアンス担当部門への報告をもってすることにした。

各事業部・グループ会社は所属する全従業員が学習完了する責任を負うことになったため、積極的に職場へ働きかけ、結果的に学習促進につながったそうだ。

長く職場・現場の教育に関わってきたJMAMさんらしいeラーニングだった。

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