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2005/04/20

だから共著はやめられない(続・企業での教育を担うのは誰?)

今年共著する新しい本は、メンバーが一節(4000字位)ずつ書いた原稿を持ち寄って、それをメンバーみんなで読んで、質問・議論・アイディア出しをする勉強会を2週間に1回くらいのペースでしながら、1年くらいかけてゆっくり書き進むことにしている。今日はその1回目。

メンバーは中原さん@東大、荒木さん@日本総研、橋本さん@青学(大学院)それに僕。

今回、中原さんは学習と記憶のメカニズムについて(行動主義・認知主義・構成主義あたり)、橋本さんはインストラクショナル・デザインのそもそも(必要性とか何故注目されるかとか)、そして僕は先日日記にも書いたとおり「企業での教育を担うのは誰?」についての節を書いた。(4人中ひとりは「お休み」する、というルールで今回荒木さんはお休み)

僕以外のお二人の書いてきた原稿はかなり面白いもので、企業の教育担当者が案外知らないこと(本来は知っておくべきことなのに)が分かりやすく書かれていた。さすがお二人ともこれを専門に研究されてきていることはある。

僕のは・・・結構苦労した割にあまり面白くならなかった。
ずっと考えていた枠組みは「経営層」「教育スタッフ」「現場のリーダー」「学習者本人」という整理にまずは落ち着いたけど、どうも面白くならない。枠組みもなんだかありきたりに思えたし。
とはいえミーティングに間に合わせなくちゃならないので、面白くないなりに書いてみんなに読んでもらった。

みんなは僕の原稿を読みながら、原稿にペンを走らせる。(こういうときって本当に緊張するよね)
で、結果としては内容として「興味深い」とは言ってもらった。(きっと年長者の僕に遠慮があったんだろうけど)
その後で、この原稿を面白くするいろいろなアイディアを出してもらった。

原稿に対して「これって誰の説?出典は?」といったツッコミを入れて貰った後、「経営者の教育責任って具体的にはどう果たされるの?」「教育は企業の諸問題を何でも解決できる万能薬か?」といった根本的な質問・議論をしたり、原稿として面白くするための構成案なども色々出してもらったりした。

前の本を書いたときに、色々な人から「共著だと自分の思ったとおり書けないんじゃないですか?」と良く聞かれた。確かに100%自分の思い通りに書けないこともあるし、自分の文章スタイルを曲げて他の人に合わせなくてはいけないことも多い。

でも、それ以上に共著することはとても良い学習になる。

他のメンバーの原稿を読ませてもらい、質問や議論をさせてもらうことで色々なことや原稿には書かれない周辺知識を教えて貰えるもちろんだが、それ以上に自分の執筆分での勉強は大きい。

危ない書き方をしているところを指摘してもらったり、質問してもらうことで色々なネタを頭から引き出してもらったり、今回のミーティングのように面白いか・面白くないかを冷静に評価してもらったり、面白くするためのアイディアを出して貰ったりすることもできる。こうやって文章の書き方を勉強できる。

もっと大きいのが、自分が暗黙のうちに持っているメッセージや現実への「怒り」を「こういうことでしょ?」って他の人に言い表してもらうことで、自分が本当に伝えたかったことが改めて確認でき、表出できるようになることも多い。昨日のミーティングでも3人ともそういう局面が結構あった。

単に本を出すだけなら一人で書いた方が早いかもしれないけど、本を書くことを通じて色々なことを勉強するには共著の方が良いと思う。自分が持っているリソースを目一杯出しながら、他の人のリソースを吸い込むって感じだ。

だから共著はやめられない。

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