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2005/02/06

能楽師の内弟子(2)芸は自分で吸収する

内弟子レポートでもう一つ印象的だったことは技術的なものの学習でした。

よく「芸は盗むもの」と言いますが、梅若 六郎さんのポリシーも「芸は自分で吸収するもの」。内弟子さん達に技術的な指導はされないそうです。
で、どうやって学習するかというと、内弟子さんたちは六郎さんがご自分で稽古をされている声を障子越しに必死に聞いていました。内弟子さんたちのポーズは障子に向かってはすに構え、まるで向こうの話を盗み聞きをしているようでした(^-^;))

こういう学習って、教育学ではどのように表現・説明できるのでしょうね?
「観察学習」とかでしょうか?
ウェンガーたちが言う「徒弟制度」とも違う気がするし・・・・。
誰か教えて下さい(^-^;)

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能楽師の内弟子(1)食事の準備も学習のうち

今朝(2005/2/6)のNHK「おはよう日本」で、女性の能楽師の話題がありました。
今まで能楽師は男性ばかりだったのですが、最近は能楽師をめざす女性も多く、今度、横浜で「女性のための能」を女性だけで演じることになったそうです。

今朝の番組では観世流能楽師(シテ方の梅若家当主)の梅若六郎さんの内弟子になったある女性がレポートされていました。「やる気のある若者には男女を問わず門戸を開く」という方針のもと内弟子を選んだところ、4人の内弟子中3人が女性になったそうです。

内弟子は5年以上師匠の家に住み込みで修行をする厳しい制度(教育システム)です。
レポートは食事の準備のシーンから始まりました。

広い台所で内弟子さんたちが食事の準備をしていますが、この食事の準備は単に精神修養のためでも、労働力の安い「お手伝いさん」としてのものではありませんでした。(その側面もあるかもしれないけど)

食事の準備で気を配るのは「盛りつけ」。「盛りつけを美しくすることで、能に必要な美意識を得る」という目標も手段もはっきりした学習でした。

食事はそう豪華なものではありませんが、一皿一皿がきれいに盛りつけられた上、お盆の中に6つの小皿が綺麗に配置されていました。

そして評価は内弟子の皆さんの日常生活での指導にあたる六郎さんの奥様。この日の盛りつけは上手くいったようで、奥さんも「きれいに盛りつけられたわね」と内弟子さんを誉めていらっしゃいました。

奥様は日頃の所作については厳しくチェックし、特に女性には男性以上に厳しく指導をするそうです。
「芸の隠れた部分、心の部分を磨いてあげたい。特にこういった部分は女性ならではのものがあるはず」というのが奥様のお考えだということでした。

ここから学んだことは3つ。
1.すぐれたOJTには明確な目標(目的)があり、手段として妥当であり、評価システムもできていること。
2.情意領域を伸ばすのに日常生活からの学びは大きく、重要であること。(内弟子での生活はその点がしっかりデザインされているようですね)
3.(これは自分のことですが)インストラクターとして、あるいはコンテンツ制作者としても、日頃の生活をひとつひとつ大事にしていかないと、「芸」を伸ばすことはできない。

伝統芸能から学ぶことは多いですね。

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