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2006/08/29

第4回日本WebCTユーザカンファレンス初日(2)

今日のカンファレンスの一般発表で興味深かったものをいくつか。

まず、佐々木 茂 (帝京大学理工学部情報科学科)さんの「JavaプログラミングWebCT教材コンテンツの開発と活用」

Javaによる基礎プログラミング授業のためのWebCT教材コンテンツの開発を、授業担当教員と学生アシスタントとで作業分担したという事例。まず教員が「授業のアウトライン」を作り、次にWeb教材(授業中に使うeラーニングコンテンツ)のためのコンテンツアウトラインを作る。コンテンツアウトラインには、コンテンツに表示する学習目標や書くべき内容を記述する。コンテンツアウトラインを見ながら大学院生のアルバイト(Javaの知識を持っている)が、説明文などを加えながらコンテンツにしていく、という手順をとるようにしたところ、分業がうまくいったという。

「コンテンツアウトラインの作成が、授業設計とコンテンツ設計の切り分けとして有効」というのが最大の教訓だそうだ。

次に石田三樹さん (広島大学大学院社会科学研究科) の「経済学講義へのWebCTの体系的導入」。この5年間に国際金融論の授業で試行した、WebCTでのテストについての実践報告で、テストについて示唆に富んでいた。

まずは全てをWebCTのテストでやるのではなく、穴埋め・択一のものはWebCTで自動採点、グラフ・計算の問題は手書きテストで人力採点、記述式はWebCTの記述テストを使い、添削・採点の後返却、といったように出題形式によってメディアを使い分けるということ、そしてそのために、まず紙のつもりで内容をとぎすまし、出題の意図を明確にすることが大事とのことだった。

また、作った問題は一晩おくのが重要なコツということを強調されていた。「4点セット」と呼んでいる、問題、画面のプレビュー、テストの設定画面、正解が書かれた画面、を紙にアウトプットしたものを翌朝に見直すことが、出題などのミスを防ぐ最大の秘訣だそうだ。また、テストの設定で採点後のフィードバックを入れることが学習効果を高める上でのポイントとのことだった。

中島英博 (三重大学高等教育創造開発センター) さんの「大学のIT活用教育促進のための授業実践手法集の開発-ティップス先生からの7つの提案IT活用授業編- 」はIT活用授業の教授法を提示した小冊子の紹介。「ティップス先生」は名古屋大学高等教育研究センターが開発した大学教育のノウハウ集で、すでに教員編、学生編(学生の学び方を記したもの)、大学編(大学上層部向け)の3分冊があるが、新たにITの授業活用についての分冊が出た。

「7つの提案」とITの活用例は


  1. 学生と接する機会を増やす(例:メールによる質問を受け付ける)

  2. 学生間で協力する機会を増やす(例:授業前に掲示板でディスカッションさせる)

  3. 学生を主体的に学習させる(例:合格するまで何度でも受け直せるオンラインテスト)

  4. 学習の進み具合をふりかえさせる(例:学習状況や成績の分布を知らせ、クラスの中での位置を把握できるようにする)

  5. 学習に要する時間を大切にする(例:予習・復習できる教材をWebサイトに用意し、授業時間外の学習を促す)

  6. 学生に高い期待を寄せる(例:授業内容の延長上にある最先端の研究に関するサイトを紹介する)

  7. 学生の多様性を尊重する(例:授業時間外の教材や課題を複数用意して、学生が選択できるようにする)

といったようなもの。大学だけでなく、企業内教育でも役立ちそうなノウハウが多かったと思う。

WebCTカンファレンスは実践報告が多く、生々しい話が聞けてとても面白い。明日も楽しみだ。

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