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2006/08/07

ゲームと教育:Beatセミナー

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8月5日(土)に開催されたBeatセミナー「ゲーム・ルネッサンス:いつか来た道、これからの道」を聴講してきた。

講演は2つ。ひとつめは藤本 徹さん@ペンシルバニア州立大学(「シリアスゲームジャパン」コーディネーター)による「シリアスゲーム、現状と課題」。

そもそもシリアスゲームとは何か、実際にはどのようなものがあるかについてお話いただいた。
シリアスゲームとは「教育をはじめとする社会の諸領域の問題解決のために利用されるデジタル問題解決のために利用されるデジタルゲーム」をさす。

つまり、ゲームの種類をさすのではなく、ゲームの用途のコンセプトだという。

詳細はすでに藤本氏のWebに資料が上がっているので、そちらを見て頂きたい。

なお藤本さんは今週、熊本大学でも講演していただくが、その際にはもう少しデザイン寄りの話をしてくださるということで、とても楽しみだ。

もう一つの講演は、(学)産業能率大学  総合研究所 e-Learning開発センターの古賀暁彦さん(このblogにもコメントやトラバでよく登場(^_^;))による「タラレバeラーニング シミュレーション型ゲーム教材の事例紹介」。

タラレバeラーニングは、「私だっタラこうするのに」「ああすレバよかったのに」を試行錯誤しながら学ぶというeラーニングで、日本eラーニング大賞奨励賞を受賞したコンテンツだ。

このコンテンツは
・失敗が埋め込まれていて、失敗から学ぶことができる
・100以上の組み合わせによる分岐に応じて多様なフィードバックを得られる
・自分から主体的に介入できる
といった特徴を持っている。

3つめの「自分から主体的に介入できる」というのは、たとえば良くあるeラーニングコンテンツでは分岐点が学習者に明示される(たとえばあるタイミングで「あなたなら上司にどう話しかけますか?」という質問が表示される)のに対し、どのタイミングで課長に話しかけるかを学習者から選べるようになっている。ちなみに課長に話しかけたいときには課長の顔をクリックする(頬を叩く?)。

そして話しかける間が悪いと課長から「人の話は最後まで聞け!」と叱られ、質問が多いと「しつこいぞ」と叱られ・・・といったリアルなしつらえもされている。

このコンテンツは「シミュレーション型のコンテンツを作ってみたい」というクリエイター的な欲求と、「eラーニングのコンテンツビジネスが薄利多売型になってしまい学習効果をちゃんと得られるような十分な作り込みができなくなりつつある」というeラーニングビジネスへの危機感が開発の原動力になっている、いわば志のあるコンテンツだ。

実際、古賀さんたちのチームはサークル活動のように数年間、こつこつとこのコンテンツを開発してきたそうだ。(ホンダの栃木研究所で研究員の皆さんが自主的にF1マシンを開発した、という話を思い出した)

コンテンツとしてはかなり面白い。Webで近日公開予定とのことなので、是非ごらんいただきたい。(公開になったらこのblogでもご紹介する)

お二人の講演の後、会場の聴衆の間でグループディスカッションをした後、学研とスクウェア・エニックスが共同出資して設立したシリアス・ゲーム事業の新会社SGラボの弦川さん(ジェネラル・マネージャー)も入ってのQ&Aコーナーになった。

私も以前からはっきりさせたかったことをひとつ質問させていただいた。それは教育の上で「ゲームはどこが良いのか?」という点だ。

これについてはお三方から答えをいただけた。

藤本さんは「コンテクストを与えて入り込めるのがゲーム。学習者にモチベーションを与え、コンテクストの中で(疑似)体験ができる」点、弦川さんは「ゲームは視覚・聴覚を刺激し、人間の本能を刺激する。刺激された人間は本質的におもしろがる」点だと答えた。また古賀さんは「動機付けのツールとして考えている。動機には始発的なものと継続的なものがあり、ゲームはやってみようという始発的なもので、その後の学習につながれば良いと考えている。」ということだった。

それと、私が思ったのは、ゲームでは「安全に(実害無く)失敗できる」つまり「失敗から学べる」のが大きいかな、という点。

いろいろな教則本やマニュアル類は、ある項目がうまく行った前提で次の項目が出てくるが、ゲームはそうはいかない。むしろ失敗し、失敗し・・そして成功するから面白いのだろう。

だとすると、「物事はそもそもうまくいかない」という世界観、「うまくいかないときにはどうするのだ」という方策や「うまくいかなくてもリトライする」といった態度形成にゲームは使えると思う。

このあたりを考えて、インストラクショナルデザインに活かしてみたいものだ。
たぶん、そのあたりは熊本で藤本さんが話してくれるだろう・・・・ね?藤本さん(^_^;)

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