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2007/01/05

データを眺める(CIEC研究会)

今日(1/5)はCIEC(コンピュータ利用教育協議会)の第66回研究会「実践研究における定量的評価の手法に関するワークショップ」 http://www.ciec.or.jp/ja/study/info_ciec66.html に参加。僕自身、実践研究が中心になるため、それをどうやって定量的に評価していくかが関心事(というか悩みどころ)なので勉強しに行った。

本来、研究における定量的評価や統計的な分析は、最初からしっかりとした分析目的を定めてデータを取ってそれを分析していく、ということが理想だし、そう進めることもあるけど、一方で、学校の実践やその成果物は必ずしも明確な目的・計画のもとに実施されているとは限らない。それどころか、当日の講師や参加者の皆さんの話を聞くと、そうではない方が多いようだ。

このような「必ずしも計画的に設計されていない事象の評価を行うためにどうすればよいか」がこの日のテーマ。

報告1「児童・生徒の心の発達とメディア環境等との関連に関する研究」(八王子市立清水小学校 教諭 松波 紀之先生)は急用ができて聴講できなかったんだけど、「基礎からわかる?統計学」と題された配付資料には、統計学の基礎と教員の視座からのポイントが示されていた。

報告2は同志社大学文化情報学部 助教授 宿久 洋 先生による 「必ずしも明確な目的・計画の下に取られていない(大量・複雑な)調査データからの知識発見」。宿久先生は統計を専門にし、大学での統計を教えられている他、統計科学の教育学習環境などにも取り組まれている。講演では実際に授業で使われているスライドも見せていただいたが、統計の「意味」、つまり「何が見えるか」を中心に授業を進められている様子がうかがえた。

宿久先生は「統計的な分析は本来は目的ありきで、可能な限り目的を明確化した上で目的に合わせたデータ収集をするのが基本だが、現実には先にデータが出てきてしまう」と認めた上で、先にデータが出てきた時にもできる対処として

  • データを眺める=データを要約し、それを視覚化していく(とにかく図を沢山書いてみる)
  • データに対応した解析を行う
  • 解析結果(事実)とその解釈を区別する
  • 結果を妄信しない

    を挙げ(これらは目的に合わせたデータであっても留意すべき点)、特に最初の「データを眺める」ことの重要性を強調されていた。

    ちなみに家に帰ってから 同志社大学文化情報学部の教員紹介ページhttp://www.cis.doshisha.ac.jp/professor/n_02/index.htmlを拝見したが、宿久先生の紹介が興味深い上、教員紹介サイトの作りも良くできている。

    Jmp1
    午後は、SAS Institute Japan株式会社 JMPジャパン事業部 竹中 京子さんによるワークショップ「統計解析ソフトJMPを用いたデータ分析の基礎」。JMP(ジャンプ)の使い方を体験版を操作しながら学んだ。この手のソフトを使うのは初めてだったんだけど、かなり面白い。宿久先生が強調されていた「データを眺める」が簡単にできる。こういうツールは高機能・高性能であることも大事かもしれないけど、それ以上「簡単」であることが大事だと思った。「いろいろな方法を使って、様々なカタチで眺めよう」って思って気軽にやってみるためには手順や操作が簡単でなければね。他のソフトは知らないんだけど、少なくともこのJMPは統計の専門家ではない(一応大学では必修科目として勉強したはずなんだけど・・・)僕でも、まさに気軽に使えそうだった。

    Jmp2
    機能として面白かったのは決定木(ディシジョンツリー)の生成。デモでは何千からもなるキノコの中で食べてはいけない毒キノコをどうやって峻別するかの決定木を作ってみてくれた。まずにおいで分類することでかなりの毒キノコを峻別し、次にヒダの色・・・というように生成してくれる。これは、マーケティングなどで良く使うツール(例えば大量の母集団の中から、DMを送って有効なのはどの条件の人たちかを絞り込む、といった使い方)をするそうなんだけど、学習目標を明確化するための分析にも使えそうな気がした。

    ちなみにアカデミックプライスは63,000円と値段も手頃。他の受講者によると、この種のソフトとしてはかなり安い部類で、値段の割には機能は充実しているらしい。

    以上のような実践的な研究会で、良い「聴講初め」になった。

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