2005/04/04

青梅をドライブ(3)バカボンと映画の街

青梅の市街に入ると、街頭の黄色いフラッグが目に入る。よく見るとそこに書いている何だか見慣れた顔は・・・
青梅市街のフラッグ 「ここがいいのだ」バカボンのパパなのだ。

青梅市街は以前から「シネマチック・ロード」として、街道沿いの色々なところ(多くは普通のお店の壁面)に古い映画の看板のレプリカを飾っていて不思議な雰囲気を演出している。古い映画ファンの僕にはこたえられないものだ。(ただし、いつでも古い映画を見ることができる、というわけでは無いのでお間違いの無いように!)
20050404_cinematic_road_1

最近これに加えて、青梅赤塚不二夫会館が出来た。バカボンのパパがお出迎え。(レレレのおじさんが出迎てくれてもいいような気がするが・・・)
ちなみにその隣は「昭和レトロ商品博物館」。こちらも昭和に育った僕の世代なら涙モノのものが並んでいる。

akatukafujiokaikan

入ろうと思ったら、どちらも月曜日はお休み・・・・残念!やはり青梅観光は月曜日を避けなければ。

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2005/03/29

BSアニメ夜話「新世紀エヴァンゲリオン」に学ぶ

僕は「新世紀エヴァンゲリオン」(通称「エヴァ」)が好きだ。TVで放映されていた時には見ていなかったのだが、深夜の再放送をたまたま見て、すぐに虜になった。その後は映画を欠かさず見、CDはボックスで買い、Eva本はブックオフで買いそろえ・・・という正しい(?)エヴァ道を歩んだ。

その「エヴァ」がついに昨夜、BSアニメ夜話に登場した。

司会は岡田斗司夫さん、ゲストはプロデューサー大月俊倫さん、アスカ役声優の宮村優子さん、小説家の滝本竜彦さんなど。

番組は岡田さんの「宮村さん、まずは一言」に、宮村さんが「あんた、ばかぁ?」というアスカのキメ台詞でこたえるところから始まった。(お約束・・・)

この番組はコメンテーターがそれぞれ選び一番好きなシーンを見てからトークを展開する、という流れで進んだ。
ゲストが何を選ぶかはとても興味深かった。

プロデューサの大月さんはオープニングアニメ(主題歌とそのバックで流れるアニメ)を選んだ。
このオープニングアニメは後にも先にもない、高次元のものとして評価が高い。

裏話として面白かったのは
・大月さんは「高次元、かつカラオケで歌えるもの」として作った。(実際、今日僕はふと気付くと、この主題歌を口ずさんでいた・・・恐るべし)
・大月さんはエヴァを99.9%庵野監督に任せたが、このウタだけは自分で作った。(他のスタッフにも一切相談しなかった)
・まだ台本も出来る前に、大月さんたちは声優さんにこのオープニングアニメだけを見せて「世界観を共有してくれ」といった。

オープニングアニメは「エヴァの世界観を映し出したモノ」という事後的なものではなく、むしろ「エヴァの世界観を示すもの」、いわばプロジェクトのツール、コンセプトを示すツールだったということが、僕にとっては「ヘエ」ものだった。

あと、宮村さんの話から、録音したセリフのうち使われなかったものが多かったこと(セリフ無しの音楽だけでやってしまったり・・・)、セリフそのものも声優さんと相談しながら決めていったことも分かり面白かった。

庵野監督はしばしば声優さんたちに「こういうとき、どう思う?どんな言葉を発する?」という投げかけをし、声優さんの答えからセリフを決めていったそうだ。例えば、映画版の一番最後のセリフ(シンジ君に首を絞められたアスカの放つ言葉)は当初「あんたなんかに殺されるのはまっぴらよ」だったんだけど、これも当初決めたものがイメージと合わず、宮村さんと話しながら決まったのが「気持ち悪い」。

映画を見た人は分かると思うけど、この「気持ち悪い」はすごくインパクトがあった。なにせ、「気持ち悪い」のセリフのすぐ後に「終劇」という文字が出て、エンドロールも無しに映画は終了し、場内が明るくなってしまうんだから。
そう、観客を映画からいきなり放り出してしまったようなエンディングだった。

あのすごいエンディングはコラボレーションの中から生まれたのか・・・。
現場はさぞや壮絶だっただろうと思う。監督も声優も一緒に悩み続けるんだから。

さて、今回の番組、エヴァファンとしては大月さんや宮村さんからこういったインサイドストーリーを聞けるのも楽しみだったが、それ以上に滝本さんがすごく面白かった。滝本さんは高校生の時にはまり、今も年に一回は一通り見直すそうだ。

滝本さんが選んだシーンは主人公の男の子シンジが、敵(使徒という未知の敵)を前に戦おうとしないシーン。

「シンジ君はヒーローじゃなきゃいけない。『やだ、戦いたくない。やってられない』というのがヒーローらしくてよい。シンジ君の立場になったら、100人が100人『よ~し、人類のために戦うぞ』というはずなのに、シンジ君は地球の未来より自分の悩みを優先して一切戦おうとしない。逃げたりする方が戦うよりよほどつらいはずなのに、逃げている。それがカッコイイと思い、尊敬した。」

僕はこの話を聞いて、滝本さんに共感した。
この作品のテーマは「積極的逃避」だと思っていたからで、実際、監督である庵野さんも「幕末太陽傳」(川島雄三監督の名作コメディ。当初計画のラストシーンではフランキー堺演じる主役が撮影所の外まで逃げるというものだったが、当時としてはあまりのトンガリかただったため、スタッフの猛反対を受けボツになったそうだ)の影響をインタビューで示唆していた。

ちなみに滝本さんは、評論家が語るエヴァを聞いて「なんだこの分かったようなことを言っている連中は。世界で一番エヴァを分かっているのは俺なのにこのクズどもは何を戯言を・・」と思い、飲み屋で「エヴァ劇場版って失敗作だよね」と言う友人にテーブルを叩きながら「おまえに何が分かる!おまえごときにエヴァの素晴らしさは分からない。死んでしまえ」と激高したそうだ。番組中も他のゲストの発言にちょっと「プルプル」きていたこともあって、妙な緊張感があった。

そして、一番好きなキャラは綾波レイだという。「なぜ?」と聞かれては「人を好きになった理由は言葉にできない」という。「物書きとして、あえて言語化したら?」との質問にも「だって綾波ですよ」と。(^-^;)
僕はこの一言にも共感した。「なぜその人が好きか」に答えられるとしたら、本当に好きだとは言えないと僕も思っているからだ。

番組の中での滝本さんの発言というか言動に「う~ん、わかる。わかるぞぉ」を連発してしまった。
こんど滝本さんの作品も読んでみよう。

さて、この他に印象的だった話をいくつか。
・エヴァは声優・作画・プロデューサ、・・・という立場を無くすという壮大な実験だった。庵野監督は自分の意図をやってもらうことではなく、自分と同じ問題を悩み、みんなで同じ地平を目指して欲しかった。(岡田さん)
・エヴァの企画を関係者に持ち込んだとき「あんた、社損をかましてクビになるよ」とネクタイを締めた立派なオッサンに言われた。だけど結果は大ヒット。このようにボロカス言われてもやる、ってことが今は無い。それが問題なんだ。(大月さん)
・エヴァは面白いアニメ。アニメ夜話にしても、エヴァ本などにしても「難しさ」を見ているが、実は丁寧に作られた面白いアニメだったからヒットした。文学性に注目されてしまうし、後続のアニメも文学性を追ったりしているけど、本質は「面白い」ってこと。それが理解されないからエヴァに続くヒットは出てこないんだよね(岡田さん)

僕は、研修やeラーニングを開発・制作する上で、アニメをはじめとするエンターテイメントの制作はとても参考になると思っている。もちろん、研修なので、ちゃんと目的や目標は定めなくちゃいけないんだけど、受講者にどう楽しんでもらうか、心をどう揺さぶるか・・・・といったことを考えながら、誠実にオモシロイものを作っていくというのは同じじゃないのかな、と。

それで映画やアニメのプロデューサや監督なんかの話や本もけっこう好きでよく聞いたり読んだりするんだけど、このアニメ夜話にも、とても刺激を受けた。
「こんな研修、ダメに決まってるだろ」と言われる位の「攻めた」「とんがった」企画を通し、いろいろな人とのコラボレーションの中で悩みを共有しながら圧倒的にオモシロイものを作ってみたい、そんな風に思った。

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