2009/01/02

「不況さらによし」と「窮すれば通ず」

元日の日経新聞一面の特集記事「世界この先」の中で、「好況よし、不況さらによし」という松下幸之助の言葉が取り上げられていた。危機を新たな製品や技術を生み出す好機と捉えた言葉で、記事によるとこの言葉の正しさは歴史が証明しているという。

例えば
・1907年米国で株価大暴落→1908年T型フォード販売開始→大量生産・大量消費時代に

・1929年の世界大恐慌→1937年米国でコピー機、ポラロイドカメラの原型が登場=「発明ラッシュの1年」、1933年豊田自動織機の自動車部設置(後のトヨタ自動車)

・1945年第2次大戦終了→同年ENIAC(コンピュータの元祖)開発成功

・1979年第二次石油ショック→ソニーが携帯音楽プレイヤーWALKMANを発売
(iPod発売もITバブル崩壊後の2001年)

さて、今回の世界同時不況と金融危機では、何が生み出されるだろう。
様々な分野でのイノベーションが見られることを期待したいが、個人的には、やはり人材開発・人材育成で「新しいもの」が出てきて欲しいと思っている。

激しい環境変化の中、人材開発・人材育成や今まで以上に重要になるとともに、難しくなっていくだろう。予算をはじめとするリソースは削られる可能性があるが、その中でより良い人材を採用し、教育・学習の機会を増やしていかなければならないはずだ。

そうなると、採用活動にしても、研修にしても、職場での学びにしても今までのやり方では立ち行かなくなる可能性がある。企業の人材開発・育成担当部門も、人材開発・育成に関する事業者(就職情報産業、教育サービス事業者など)も、根本的に考え直す必要が出てくるだろう。

しかし、一方で双方の中には「今のままでは良いのか?」という疑問はここ数年持ち続けてきた人も少なからずいるはずで、実際、私もそういう人たちと話し合う機会が多かった。そのような人たちにとっては、今までのやり方を変える好機のはずだ。なぜならば、企業の人材開発・育成関係はどうしても前例に従いがちであり、何かを変えるには多大なエネルギーや、何より「きっかけ」が必要なはずだから。

ここまで書いてきてふと思い出した言葉がある。
それは「窮すれば通ず」。「窮すれば則ち変じ、変ずれば則ち通ず」とも言うそうだ。出典は「易経」。

今年は大変な年になるだろうし、その「大変」も今年一年だけとは限らない。そんな中だけど、いつか未来に「通じる」ことが生まれることを期待して、窮しても下を向かず、そして変わってみることに活路を見出したいものです。

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2006/12/01

eラーニングカンファレンス特別セミナー

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e-Learning Conference 2006 Winterの2日目。今日(12月1日)の朝は、特別セミナー「e-Learning専門家育成の取り組みについて」として、青山学院大学の玉木先生と僕とで、それぞれの大学の取り組みについて紹介した。通常のトラック前の早朝(9:30~)のセッションにもかかわらず、60名を超える方にご参加いただいた。

この特別セミナーは動画収録されていて、後日、elcのサイトで公開される予定なので、よろしければご覧ください。

【当日のスライドと資料】
当日使ったスライド(PDF 692KB)
当日配布資料(教授システム学専攻のフライヤー。入試情報も入っています)(PDF 992KB 重いです!)

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2006/10/07

集中講義「職業人教育訓練におけるeラーニング」初日

集中講義「職業人教育訓練におけるeラーニング」の初日。東京で6名(うちお二人は大阪から参加!)、熊本で1名の受講者が参加した。
昨日の努力の甲斐あって、今日は無事にTV会議システムが稼働してくれた。(最初だけちょっとパソコンの解像度の関係で熊本に画像が行かずにバタバタしたけど・・・・)

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トップバッターは畑田先生。株式会社ジェックで教育に関する研究や開発、教育に関するコンサルティング、講師などを務められている。

畑田先生の授業では、「企業経営に寄与させる企業内教育」をテーマに、態度変容、自律的自立的人材、創造的人材、ダブルループ学習、ナレッジマネジメントといったキーワードを軸に、人材開発の現状の課題と今後の方向性について講義が展開された。

教育サービス事業者・コンサルタントとしての立場からの生々しい話に受講者は引き込まれていた。

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お二人目は小松先生。NTTラーニングシステムズ株式会社や富士ゼロックスで常に企業内教育の最先端を張りし続けられ、日本eラーニングコンソシアムの会長として、eラーニング界を牽引されている。

小松先生の講義では、日本の企業内教育の歴史と現状、日本のeラーニングの現状などをアメリカと比較されながら論じられ、今後eラーニングで何を目指すかについてお話いただいた。

長く日本の企業内教育の中でご活躍され、併行して25年にわたりアメリカの企業内教育をベンチマークされてきた小松先生の問題提起とビジョン提示は示唆に富んでいて、まさに日本の企業内教育や人材育成の抱える問題や将来目指すべき姿が浮き彫りにされた講義だった。

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今日のラストは下山先生。日本マクドナルドのトレーニング部長を勤められた後、現在は株式会社人財ラボという会社を立ち上げられ、人財育成に関するコンサルタントとしてご活躍されている。

下山先生からは「新しい企業内教育機能創設のための課題」として企業人事を巡るマクロ的課題・ミクロ的課題について、ご自身の経験をふまえて講義していただいた。受講者がなかなか聞くことができない「人事部門のぶっちゃけトーク」も多く、企業が抱える問題や課題、人事部門の人のキモチを知る貴重な機会だった。

授業後、受講者の皆さんからは「一日があっという間に感じられた」「濃い一日だった」「楽しかった」といった声を聞くことができ、とても嬉しかった。(準備をした甲斐があった・・・)
明日も小松先生・下山先生にご登板いただき、集中講義を行なう。明日も楽しく激しい学びの一日になりますように。

ちなみに、今、教材作成室の合くんと僕は、収録した講義のビデオをエンコードし、欠席者の補習用(+出席者の復習用)に今日の講義のビデオ教材を製作している。今日中にアップロードするぞぉ!

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2006/09/11

研修の集客をするには

今日は日本eラーニングコンソシアムの事務局で月に一度のeLP(eラーニングプロフェッショナル)研修委員会。eラーニングのプロを育てるための研修やeラーニング、資格の企画や検討をする委員会だ。

僕が会社から大学へ移籍した大きな理由の一つが「eラーニングや企業内教育について学ぶ場を作りたい。」ということだった。なので、この委員会も自分としてはとてもやり甲斐を感じている。

今日の話題の一つは、研修の集客。この委員会で企画している研修の多くは、受講者から高く評価いただいていることが多い。だが、残念ながら参加者数がもうひとつ集まらない。「もったいない!」というのが委員みんなの気持ちだ。

なぜ、参加者数が伸びないのだろう?参加者数を伸ばそうとする際に壁として立ちはだかるのが「教育・研修は経験材」という点だ。どんなに素晴らしい教育や研修、eラーニングであっても、それを受講し学習者(あるいは主催者)として体験しない限り本当の価値は分からない。

もちろん素晴らしい研修を継続的に行っていれば口コミで集客ができるということはある。企業の中であれば、同僚や後輩・部下、場合によっては先輩に受講を勧め、それが集客に繋がることは多い。ただ、それは、口コミの媒体であるコミュニティがあればこそで、企業内ではないオープンな研修ではなかなか口コミには頼れない。

そうなると、集客するには広告などの集客活動が重要となる。その集客活動のためにも、分かりやすいネーミングやコンセプトを打ち出し、その研修を受講するとどんな良いことがあるかが伝わるようにすることだろう。ネーミングは別として、このあたりにもインストラクショナル・デザインは使えるというか大事だと思う。例えば、ニーズ分析がきっちりできていて、それに対応できる目標設定ができていれば、目標そのものが研修の魅力を伝えることになるはずだからだ。

ということで、今日の議論としては「ネーミングがわかりにくかったか」という反省のもと、「出来るだけストレートなネーミングをして、それを押し出してしっかり広報活動をしていこう」ということになり、具体策を検討した。
具体例は・・・・今後のeLP研修をお楽しみに。(このblogでもご案内します。)

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