2009/01/26

「企業と人材」誌に解説記事掲載

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「企業と人材」誌の2009年1月合併号の巻頭に、拙文「進化する『職場での学び』― OJTからワークプレイスラーニングへの発展」が掲載されています。よろしければご高覧ください。

とはいえ、この「企業と人材」、年間購読だけなんですよね・・・。
ただ、無料見本誌請求も同誌のWebサイトからできるようですので、よろしければこの機会に手にとってみてください。

「企業と人材」Webサイト

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2007/07/17

OJTのイノベーション

今日(7月17日)は日本能率協会関西事業部主催の講演会に登板。この夏から開催予定の「OJTイノベーションフォーラム」のプロモーションのための講演会で、テーマは「OJTにイノベーションが 求められているのはなぜか」。約30名の受講者(多くは人事・研修部門の方々)にお集まりいただいた。

講演の内容としては、職場・現場での学びの重要性を確認した上で、上司や先輩の時間・能力・意欲に依存しているこれまで”OJT”(=上司による部下指導)の問題点や限界を指摘し、それらを改善・あるいは改革するためのヒントとして教育や学習の理論や知見、ワークプレイスラーニングのコンセプトなどを紹介した。

OJTが上手く回っていないのは、上司・先輩が忙しすぎたり、指導スキルが乏しかったり、あるいは意欲が不足しているといったことから機能不全に陥っている上、想定通りに回ったとしても環境変化が早く・複雑なため、上司・先輩が教えたくても教えられない、上司・先輩がそもそも手本にならないといった限界につきあたっている。そして、その対策としては、上司や先輩の指導スキルを何とかする、といった対症療法的なものも必要だけど、それ以上に、上司・先輩に依存する「部下指導」的なOJTを脱し、社員が仕事の中で自ら学べるようにワークプレイスラーニングの環境を整えていくことが重要、というのが僕のメッセージで、これについては多くの受講者の皆さんから共感していただけたようだった。

OJTや職場の学びは今、曲がり角に来ていると思う。複雑になる顧客のニーズや価値観、激しく早い環境変化に対応するには職場・現場での学びが重要なのだが、どこの職場でもみんな忙しく「OJTどころじゃない」状態だろう。そんな中で学び続けるにはどうしたらよいかを考え、それが実現できた会社が競争力を維持・向上させられるはずだ。

そんな「これからのOJTや職場の学び」を、企業の皆さんと考えていきたい。

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2006/12/26

新人研修・OJTを成功に導くための「新人育成セミナー2007 ~実践編~」

2007年1月29日にレビックグローバル社主催の下記セミナーに登板します。
よろしければお越しください。
ちなみに定員90名に対し、すでに50名くらいの申し込みがあるそうです。

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新人研修・OJTを成功に導くための「新人育成セミナー2007 ~実践編~」

今求められる自律型人材を育成するために企業がすべきこととは何か、また用意すべき環境とはどのようなものか、注目を集める「ワークプレイスラーニング」と「OJT」の考え方を中心とした“実践的”な新人育成方法について熊本大学大学院助教授の北村士朗氏にご講演をいただきます。
さらに、導入研修で効果を上げるためのツールと、配属後の育成を支援する仕組みについて、具体的な事例を交えながらご紹介差し上げます。人材開発、教育ご担当者の皆様のご参加を心よりお待ちいたしております。

■セミナー概要

対象 人材開発、教育ご担当者
日時 2007年1月29日(月)13:00-16:00(開場:12:30)
会場 トスラブ市ヶ谷(東京都新宿区市谷仲之町4-39)

・都営新宿線曙橋駅下車徒歩6分
・都営大江戸線牛込柳町駅下車徒歩8分
 (牛込柳町駅東口より外苑東口通りに出てください)
・地下鉄丸ノ内線四谷三丁目駅下車徒歩15分
・JR市ヶ谷駅下車徒歩20分

参加費 無料
申込み 定員制(90名様)
先着順とさせていただきます。
「お申込みフォーム」よりお申込みください。
■セミナー内容(ご紹介する内容は変更する場合があります。あらかじめご了承ください)

第1部 13:00-14:30
「OJTの“いま”そして“これから”~ワークプレイスラーニングで新人を育てる~」
熊本大学大学院助教授 北村士朗氏

第2部 14:50-16:00
「新人育成の手法と事例のご紹介」
株式会社レビックグローバル
ナレッジ&ラーニング事業部 取締役事業部長 斎藤茂清

詳細・お申し込みは・・・・
http://www.revicglobal.com/ja/news/061215.html
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2006/12/03

2006九州PCカンファレンスin熊本大学(2日目)

塚本先生

今日(12月3日)は2006九州PCカンファレンスin熊本大学の2日目。分科会として、様々な発表が行われた。
僕は出番が無かったので、自分が関係する発表や興味がある発表を聞いて回った。


まず、僕もプロジェクトに加わっている「elこころ学習プログラムシステムについて」についての塚本先生@熊本大学教育学部の発表。まだプロジェクトが開始したばかりなのでコンセプトが中心となった。

会場からいただいた質問として「一次予防力はこの取り組みで対応するとして、その後は?二次的な対応については?」というものがあった。

この点については、このプロジェクトには現場の教員が一次予防をした後を引き継ぐ立場である専門家が加わっていて、専門家として「まずはこうして欲しい」「この状態で引き継いで欲しい」「引き継ぐ前にこれはしないで欲しい」といったことを発していくことで対応できると考えている。

ファーストエイドって普通の病気やケガもそうなんだけど、現場で最悪の事態を避けるとともに、その後に引き継いだ専門家(たとえば医師)が治療をしやすい環境を作ること、あるいはその妨げにならないことが大事で、それはこころの健康に関しても同じだ。

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村嶋亮一さん次に教授システム学専攻の修士履修生でもある村嶋亮一さん@NPO法人 くまもとインターネット市民塾事務局の「くまもとインターネット市民塾による『学びのコミュニティ』創造と今後の課題」。

くまもとインターネット市民塾は、誰もが受講者にもなれ、誰もが講師にもなれるというコミュニティベースのeラーニング活用による生涯学習支援サービス。構築や運用における課題とその解決に向けたアプローチについて成人学習理論を踏まえて発表された。

ここでも良い質問があった。「このように誰もが自由に講師になれるような自由な雰囲気のコミュニティの中で、成人学習理論やIDにのっとったガイドラインを設定すると堅苦しくならないか?」というもの。

僕もちょっとコメントさせてもらったんだけど、IDは基本的には方法(メソッド)ではなく、使う人に依存する方法論(メソドロジー)なので、「こうしなければいけない」ではなく「こうすればよいですよ」というお勧めをする類だと考えている。

これを講師役の参加者に押しつけると、確かに堅苦しくなるだろう。いかに緩やかな感じの中できっちりとデザインしてもらうかがポイントになるはずで、それは十分可能だと考えている。

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また、地元熊本の尚絅学園尚絅大学短期大学部から高橋文徳先生が「moodleを用いた教育支援システムの構築と実践」について発表された。短大でのパソコン検定試験対策の授業での活用事例で、実践されている方ならではのノウハウ満載の発表だった。

1165392239_619jpたとえば、システム利用率向上への工夫として似顔絵を使っている。これは学生の「面白みに欠ける」「冷たい感じがする」「可愛くない」という不満に対応するもの。
学生は「写真は嫌だけど似顔絵ならOK」だそうで、似顔絵イラストメーカー http://illustmaker.abi-station.com/ を使って似顔絵を作らせたそうだ。
僕も似顔絵を作ってみた。


また、各回の授業で行う小テストでは3回以内に満点を取るよう義務づけたそうだ。
その結果、制限無しで行ったときよりも、学習する時間、特に1回目の所要時間が増加したそうだ。ちなみに回数についてはいろいろなものを試行されたそうだが、結果として3回がベストだったそうだ。

また、ディスカッション機能で受講者同士のコミュニケーションや教員との質疑応答を促しているという。特に、積極的な生徒(=ボス)に教えると知識がその周辺に伝播するとのことで、教える側としてはこれが大きいという。

また、出席機能を使い出席登録させるが、そこでのポイントは学生にフィードバックすることで、「出席率66.6%を常に上回っていないと単位を出さない!」ということを宣言した上で出席機能を使い、学生が自分の出席率を常に把握できるようにした結果、出席率が上がったそうだ。

こんな感じで、分科会も現場感覚溢れる話が多くとても楽しかった。
来年はどこで開催されるかまだ決まっていないが、是非参加したいと思う。

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2006/12/02

2006九州PCカンファレンスin熊本大学(初日)

20061202pcc_001今日(12月2日)は2006九州PCカンファレンス in 熊本大学の初日。

鈴木先生の基調講演「インストラクショナルデザインとeラーニング」に続いてパネルディスカッション「eラーニングの現場・現状・現実」にコーディネーターとして登板した。

パネラーは英語教育のeラーニングに取り組まれている西嶋 愉一(金沢大学外国語教育研究センター)、遠隔教育のご経験が長く、基礎学力の測定と向上に取り組まれている鍵山 茂徳(鹿児島大学学術情報基盤センター)、文科省「IT人材育成プロジェクト」の研究指定校として高校でeラーニングを授業や資格取得などに活用されている太田 浩樹(熊本工業高等学校)、そして熊本大学の情報教育の中心スタッフである右田 雅裕(熊本大学総合情報基盤センター)の各先生だ。

普通、こういったパネルって何となく予定調和的だし、壇上の人たちの周りでは物事がうまくいっている印象を聴衆としては抱いてしまい、聴衆は「それに比べてうちは・・・」って思ってしまうことが多い。下手をするとコンプレックスさえ抱いてしまうことも・・・。僕も聴衆としてはそうだったけど。

そこで今回は、壇上の皆さんに「悩み、相談したいこと」を出していただき、それを会場の皆さんと一緒に考えていこうというしつらえにした。どんなお悩みかは資料をごらんいただきたい。

資料(PDF 132KB)

もちろん会場の皆さんからのご相談もあり。しかも、「会場の皆さんもパネラー」と宣言し、壇上のパネラーが会場の誰かを指名して発言してもらってもよい(とうか指名されたら発言しなくちゃいけない)というルールにした。

結果としては、会場と壇上が一体になったセッションになれたのではないかと思う。

みんないろいろな苦労をしながらも、やっぱりeラーニングの可能性、たとえば従来ではできなかった学習の個別化(受講者のレベルやペースにあった学習の実現)や、時間・距離の制約からの解放、紙の教材や講義ではできなかった何かができる、といったことを信じて頑張っているということ、そしてそのためにも、従来の教育の方法のままeラーニングに載せるのではなく、新しい学習の姿を考えたり、理想と現実のギャップをと捉えいかに理想に近づけるかを考えたりすることが大事、だということをみんなで共有できたと思う。

パネルの後は懇親会で、そちらでも司会(^_^;)。eラーニングカンファレンスのトラックでも司会的な役割だったので、なんだか今週は司会漬けな週な気がした。

それはさておき、九州のCIECの皆さん(教員、研究者、生協スタッフ)はいい感じで繋がっていることを感じることができた。これから「ご近所」の皆さんといろいろ仕掛けていきたい。

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2006/09/30

文珍師匠の弟子育て

9/27に自宅でテレビをつけっぱなしにしながら仕事をしていたら、のNHKの番組「生活ほっとモーニング」に桂文珍師匠が出演していて、思わず引き込まれてしまった。(そもそも僕は文珍師匠のファン)

放送内容:この人にトキメキっ! 落語家 桂文珍

上方落語の話、自身と落語の関係などとても興味深い話しが続いたが、仕事柄「弟子を育てる」という話題で思わず反応してしまった。文珍師匠は弟子や吉本興業の担当者に対して厳しいという定評がある。

まず、文珍師匠が言うには、芸人というのはクレープのような薄皮を一枚一枚はいでいくように、芸の細部について突き詰めていくものだという。そしてそのことを実際に弟子にも伝えようとしている。

弟子の楽珍さんは弟子入りして25年。文珍師匠もその実力は認めているが、まだ一人前としては扱っていない。

楽珍さんは「何度も辞めたくなった」という。文珍師匠はとにかく厳しく、「おしぼりでも冬・夏は温度が違うだろう。お客さんの気持ちになって考えなくては。弟子は師匠の気持ちにならなくては。」と言って、ちょっとした失敗でも許してくれないという。

実際にどのようなやりとりがされているかも紹介された。

楽珍さんが前座を務める間、文珍師匠は袖で聞いている。ネタは上方落語の「宿替え」。
「これ、面白いな」と笑っている。「いいねぇ、あれいいねぇ」楽しそうに見ていたり、うなずいていたりする。たまには大笑いさえ・・・。
ところがある箇所に来て急に「ああ、ここが違うな」と厳しい顔になった。

高座に出る文珍師匠は、帰ってきた楽珍さんに「後で言う」と冷たく言い残す。

文珍師匠が高座を終え楽屋に帰ってくる。
「楽珍なぁ、宿替えな、あれ難しいな。細ひもでくくった後で、でもぱ~っと離してしまうと、そこまでの面白さが生きない。リアリティが残らない。折角のそこまでを活かさなくちゃ。」といった話をする。

あれだけ袖で笑っていたのに、一言もほめない。
だけど僕が感じたのは「折角」という言葉が短い間に3回は出てきたこと。
多分、文珍師匠師弟の間ではこの「折角」というのは、その部分は出来ている、ということを認める、ある種のほめ言葉なんじゃないかと思った。このあたりに文珍師匠の弟子の育て方のうまさの秘密がありそうだ。

文珍師匠は言う。「具体的に言ってやらなくちゃ。前に物語を進めようと焦って芸が乱雑になる。そこが言いたい。」「何もしなくても伸びる、ほめると伸びる、叱ると伸びる。色々な子がいる。難しいよね。」

文珍師匠は、笑福亭鶴瓶桂南光両師匠と3人で「しごきの会」という若手落語家の育成の場を年4回設け、なんとこの3人で前座をやって、若手にトリをやらている。

「良い意味のプレッシャーを与えて、一皮むきたい。だらだらやるのが一番いけない。」と文珍師匠は言う。

「落語は競争。なんばグランド花月で、他のジャンルの芸(ケニアのダンスとかまで)の後で落語の面白さに気付いてもらわなくてはならなかった。客は笑いに来ている。落語を聞きに来ているわけではない。『これでどうだ!』というところまで頑張ってきた。」「一番大切なのはお客様のお好みの調子に合わせ、そのテイストのものを出さなくては行けない。たとえば寿司屋でお任せ、と言われたときに、すし職人は最初の品の様子を見てその後を合わせていく。そのとき持ちネタが多くないとお客様に合わせられない。スポーツと芸事には競争しかない。」

教育、研修、インストラクショナルデザインの世界も一緒だよな、と思った。

学習という面でもうひとつ。
今度、大阪に出来た定席天満天神繁昌亭には楽屋はひとつしか作らなかったという。そこに大看板から若手までが一緒になって過ごし、伝承の場にしていこうという。まさに学習環境デザインだよね。

芸事の弟子育成から学ぶことは多そうだ。

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